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Saturday, February 9, 2013

「泣くな、はらちゃん」のエンディングについて



Twitter でダラダラダラダラと書いてしまいそうなので、ブログで書きます。だから、これから書くことはダラダラしています。単に、わたしの感想を書くだけです。なんで書くかと言えば、それは書きたいからですw (※これを書いているのは、第4話終了の時点です。そこんとこ、よろぴこ。)




【エンディングのアニメーション】







で、エンディングのアニメーション。これ、けっこう意味があるんじゃないかなーと思ってます。わたしの考えは以下の通り。


(ドラゴンの手前) → 矢東薫子のマンガ家人生

(ドラゴンの炎で灰になる) → 矢東薫子の挫折

(灰から蘇ったあと) → 越前さんとはらちゃんの恋


パートリーダーの矢口さんが矢東薫子の正体であることはほぼ確定なわけですが(エンドロールでも一番最後に来ている)、彼女は第3話で「わたしはもう人生という戦いから降りた」と言ってます。つまり、はらちゃんはそんな矢東薫子と越前さんのふたりを繋ぐキャラクターでもある、と。さて、それを踏まえたうえで。







































涙が落ちてはらちゃんが出てくる。この涙を流しているのは越前さんにも見えるし、同時に、矢東薫子でもあるのかもしれない。ま、どっちでもあるのかなー、と。








































ギターの弦が切れる。ここの意味はまだよくわからないのですが、はらちゃんのギターは第1回で3本だったんですよね。また、矢東薫子の原作のほうから弦が3本だったのか、それとも、越前さんがそう描いたのか、これまたわからない。ただ、このアニメーションにおいては、はらちゃんはドラゴンの炎までの前半部分ではギターは弾いてません。
















で、ここから矢東薫子のマンガ人生を描いているのではないか、と。
















これは原稿の山のモチーフ。
















エンピツ。
















サボテンに見えるけど、これは人じゃないのかなー。トゲは批判や逆境のメタファー。
















これは岩ですが、原稿用紙を丸めたものにも見えます。上から落ちてくるので編集者にボツにされた原稿なんかなー、と。





























でも、それにもめげず、がんばります。しかし・・・
















ドラゴン。怪物というのは不条理の象徴。何をどうしたところで打ち勝つことの出来ない敵。
















そりゃ、こんな表情になります。


















そして、ドラゴンの吐く炎に包まれて・・・

















灰となってしまいます。これが矢東薫子の挫折。(何があったのか、それはわかんないです)


















そして、灰から蘇るはらちゃん。炎に焼かれてその灰から蘇るのは、フェニックスなどと同じで、死と再生の典型的なメタファー。
















でも、新たに生まれたはらちゃんの右手には赤い糸がついています。




















赤い糸の先には越前さんがいる。(ここからがドラマ本編)


















はらちゃん、可愛いよ、はらちゃん。


















最初のところで弦が切れたギターへ赤い糸を結びつけ、そこで初めてはらちゃんが歌う。



















悲しげな表情だった越前さんに微笑みが。この微笑みが矢東薫子にとっても何らかの喜びになるのではないか、と想像してますが、それは後述。
















最後はハートマークに包まれるふたり。すでにプロデューサーのかたがハッピーエンドと明言してるようなので、これはそのまま受け取って良いはず。




【ドラマのエンディング予想】


で、ドラマ自体のエンディングなんですが、わたしは越前さんが「二代目」矢東薫子になるんじゃないかと想像しています。第4話で越前さんの弟が「このマンガは金になるのか」という不純な動機ながらも、あちこちに「売り込み」をかけてるのはそこらへんの伏線なのかなー、と。んで、このエンディングのアニメーションに即して言えば・・・


(ドラゴンの手前) → 矢東薫子のマンガ家人生

(ドラゴンの炎で灰になる) → 矢東薫子の挫折

(灰から蘇る) → はらちゃんの再生(越前さんによる再生

(灰から蘇ったあと) → 越前さんとはらちゃんの恋

(ハッピーエンド) → 越前さんがマンガ家になってはらちゃんとずっと一緒にいる


まぁ、マンガの世界とこっちの世界を出たり入ったりするという感じかなー、と。越前さんがマンガ家になるタイミングとしては第9回あたりじゃないかと想像。これは劇中に出てくる矢東薫子全集が8巻までなので、「その先」を継ぐとしたら「9巻」になるので。で、消息不明とされていた矢東薫子がそのように復活して広く読まれることで、矢口さん(=矢東薫子)も救われることになるんじゃないかなー、と。




【はらちゃんが人間になるのか、ならないのか】


はらちゃんがピノキオ的に人間そのものになってしまうことはないような気がします。これはまったくもってわたしの個人的な考えですが、そもそも、あのマンガの世界のモチーフに、The Twilight Zone の Five Characters in Search of an Exit があるような気がするもので。








英語のみで恐縮なんですが、ま、簡単に言いますとある閉じた世界にいる「5人」のお話。「5人」と言うのは、はらちゃんのマンガ世界に出てくる人数と同じです。男性4人、女性1人という人数構成も同じ。はらちゃんに当たるのが、この作品では「外」に出ようとする major ですね。


そこがどこなのか、自分たちが誰なのか、何もわからない。そんな葛藤を描きつつ、ようやく「外」に出た major が見たのは・・・まぁ、これはネタバレになってしまうのですが、それを書かないと説明にならないので書いてしまいますが、これは実は箱のなかにいる人形たちなんですね。すんごいシュールな話なんです。でも、最後のナレーションできちんと救いが与えられています。


But this added, hopeful note: perhaps they are unloved only for a moment. In the arms of children, there can be nothing but love.


でも、最後にはそんな人形たちも子供たちに抱かれて幸せになるだろう、と。これを「泣くな、はらちゃん」に当て嵌めて考えると、長いこと忘れられていた矢東薫子のマンガが再び世に出ることになるかなー、と。もちろん、これはわたしの勝手な希望的観測なんですけどね。すんません。




【ユキ姉】


さて、エンディングのアニメーションでもうひとつ気になることがあります。それはキャストの表示順。ドラマや映画のキャストは最後のほうに大物俳優や物語の重要な人物を演じている俳優さんが並びます。「泣くな、はらちゃん」の場合だと・・・


光石研

奥貫薫

白石加代子

薬師丸ひろ子


・・・という順番になっています。薬師丸ひろ子が最後になっているのは、これはもう矢東薫子であるからだと思います。白石加代子は大物俳優としてのクレジットですかね。まぁ、そこまではわかるんですが、気になるのは・・・















やはり、この光石研(玉田工場長)、奥貫薫(ユキ姉)の並び。ユキ姉はこのドラマの重要キャラクターで、以前に「外の世界」に行ったことがあります。したがって、マンガ世界の住人のなかでユキ姉だけが違う反応を見せることも多いですし、ユキ姉も矢口さんと同じように「この世界がマンガである」ということについては、はらちゃんに対してはぐらかしてるんですよね。ただし、「外の世界」に行ったときの出来事はまだ語られていません。(第4回の時点で)


かたや、玉田工場長は単なる脇役にも見えるのですが、矢口さん(=矢東薫子)には尊敬にも似た感情を抱いています。まぁ、もちろん、単なる好意なのかもしれませんが、ただ、相手が矢口さんなので何かがあるのかなと思ったりします。そして、そう考えていくと、なぜ、「光石研、奥貫薫」の順番なのか、気になるわけです。


ユキ姉 「世界の秩序が乱れちゃったねぇ。でも、それは仕方のないことなんだよ、はらちゃん。違う世界を知るってことはさ、素敵なことだけど、つらいことなんだよ。」(第2話)


これがユキ姉と玉田工場長の「何か」なんじゃないかなー。あと、玉田工場長ってまだ下の名前がわからないんですよね。ユキ姉と玉田工場長の過去回があるとしたら、そのときに初めて下の名前で呼ばれる・・・とか。あと、第4回であっくんが「外の世界」に出て、第5回の予告ではマキヒロもそうなるようなので、


第4回 あっくん
第5回 マキヒロ


という順番で「外の世界」を体験するのかなー、と。あっくんは第4回で犬を怖いものと刷り込まれていますが、「犬が見てみたい」と言ってたのはマキヒロなんですよね。なので、第5回でマキヒロは可愛い犬を見て「やっぱり、犬は可愛い」と言うことになり、かたや、あっくんは「いや、犬は怖いものだ」みたいな掛け合いも生まれるのかなー、と。ま、それは細かいことなのでいいんですが、その先として・・・


第6回 笑いおじさん
第7回 ユキ姉


・・・といった順番で「外の世界」に出るんじゃないかなー。8回目までがひとつの区切りになっているとすれば、7回目あたりでユキ姉の過去回があってもおかしくなさそう。ま、すべて、わたしの勝手な予想ですけどねw




【リリック】


んで、最後。主題歌の曲名は「リリック」。英語で書けば Lyrics と言えば歌詞のことですね。「泣くな、はらちゃん」には劇中歌として二つの歌詞が出て来ます。


「私の世界」

せかいじゅうのてきにこうさんさ たたかういしはない
せかいじゅうのひとのしあわせを いのります
せかいのだれのじゃまもしません しずかにしてます
せかいのなかのちいさなばしょだけ あればいい
おかしいですか? ひとはそれぞれちがうでしょ? でしょでしょ?
だからおねがいかかわらないで そっとしといてくださいな
だからおねがいかかわらないで わたーしのことはほっといて


こちらは超ネガティブな越前さんの歌詞。(もしかしたら、矢東薫子全集からの引用なのかもしれませんが)


「初恋は片思い」
こいのうたとか きらいなんだよね どれもみなおなじ
こいのうたとか きらいなんだよね わからない
こいのうたとかうたいたくないよね ほかにもあるでしょ?
こいのうたとかうたいたくないよね にあわない
こいするためにうまれてきたとかありえない そう おもっていた
でもこいをした でもかたおもい あなたのことしかうたえない
でもこいをした でもかたおもい そんなじぶんにわらう


こちらは紺野さんが弾き語りで歌うラブソング。でも、この二曲ってメロディは同じなんですよね。はらちゃんが知ったメロディは紺野さんの歌なので。


同じメロディに乗せて二つの歌詞があるというのは実に面白い趣向で、これが最も活かされていたのは第2回の矢東薫子全集を探すくだり。あのときは紺野さんが神社で歌っていることもあって、流れているのは「初恋は片思い」のほう。そして、はらちゃんから小走りで去った越前さんが、でも、やはり、気になって見に行くシーンは恋の芽生えとして描かれていました。(あのシーンはスローモーションになっている)


ということで、閉じた世界と開いた世界という二つの歌詞が効果的に使い分けられているなー、と。また、歌の喪失と復活でもある、と。ということで、エンディングの「リリック」というタイトルのはそういったモチーフも含まれているのかなー、とか思ったりしたわけです。




はー、書きたいこと書いて、スッキリしたナリよ。




おしまい